為替はインフレ率で補正された実効為替レートで見るとレンジが見やすい
為替は長期で見ると高安はインフレ率に従うはず。
もしインフレ率に従わなければ、どちらかの通貨で何かを購入するとめっちゃ安く買えるみたいなことが起こるからです。
ただし両国にある程度、安定した経済や政治(先進国)があることをチェックする必要はありますが。
円/ドル、円/ユーロなど、特定の2通貨間の為替レートをみているだけでは捉えられない、相対的な通貨の実力を測るための総合的な指標のこと。名目実効為替レートと実質実効為替レートがあり、相手国・地域の貿易額で加重平均して算出したものを名目実効為替レートといい、名目実効為替レートから物価変動分を除いたものを実質実効為替レートといいます。各国中央銀行や国際決済銀行(BIS)が公表しており、日本では日本銀行が毎月、名目と実質の両方の実効為替レートを公表しています。
名目実効為替レート自体に貿易額での加重平均が余計だと思うので、このレートがイマイチな気もしますが、とりあえず。分析してみた。
本当は貿易額での加重平均はせずに、物価変動分のみを除いた為替レートが欲しいところ。
米ドル・円(USD/JPY)の実効為替レート
Real(青)がインフレ率で補正された実効為替レート
Nominal(赤)が実際の為替レート
2010年の位置でRealとNominalが重なるようになっている。
2010年1月から現在までの実効為替レート(青)の平均が107.1
2000年1月から現在までの実効為替レート(青)の平均が99.7
長期で見ても、実効為替レート(Real)は50〜150の間を動いている(具体的な数値には意味がありません。50%ぐらいのばらつきを持って100を中心にうろついているというイメージで良いと思います)。
現在、ドル円は1ドル106円周辺をうろうろしているが、長期の実効為替レート水準(125ぐらい)から見ると円安圏にいると言える。
歴史的に見ると、125というのは2000年1月から現在までの実効為替レート(青)の平均が99.7から25%ほど円安水準にいると言えるわけです。
ここから実際のドル円が円安方向にふれるとしてもせいぜい10%程度、117円ぐらいが歴史的に見ても限界。
アメリカのインフレによって、円高にかかわらず、実効為替レートはこの五年ほとんど変化していない。相変わらず円安水準にある。
ユーロ・ポンド(EUR/GBP)の実効為替レート
BISからダウンロードできる実効為替レートを使って現在の水準を確認する。
2020年8月までのデータ
Real(青)がインフレ率で補正された実効為替レート
Nominal(赤)が実際の為替レート
2010年の位置が1になるようになっている。
2010年1月から現在までの実効為替レート(青)の平均が0.91
2000年1月から現在までの実効為替レート(青)の平均が0.86
0.91を基準とすると、若干のEUR高GBP安である。
実際の為替レートNominal(赤)から見ると大きなEUR高GBP安に見えるが、実際には英国側のインフレ率がユーロ圏より高いため、インフレ率込みで見るとGBPは安くはない。
つまり、GBPはもっと安くなる可能性はある。
ただし、過去10年・20年の平均よりはGBPは安いので平均回帰という意味ではGBP高に補正される可能性がある。
CHFJPY
1980年代前半までは日本のインフレ率の方がスイスより高かったがその後逆転して、
2012年から再びインフレ率が上昇
実効為替レートは歴史的に見てかなりスイスフランが高くなっている。ということは売りチャンス.
AUDNZD
ここは後で作る。
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