BTI 株はなぜこんなに安いのか?投資する上で押さえておきたい点

2024年4月13日追記

BTI 時価総額 638億米ドル

2024年3月13日ニュース

ブリティッシュ・アメリカン・タバコ(BAT)は、インドの複合企業ITCの株式の一部(4億3,685万株、発行済み株式の約3.5%)を1,669億インドルピー(20億2,000万ドル)で売却しました。この資金は2025年12月までの自社株買いに充てられます。売却後もBATはITCの25.5%(注:2.2兆円ぐらい)を引き続き保有しています。BATは営業キャッシュフローを変革、漸進的な配当、債務削減に充てていくとしています。ITCはインド最大の民間企業の一つで、日用消費財、ホテル、パッケージング、アグリビジネス、IT事業など多岐にわたる事業を展開しています。

1900年代初頭から何らかの形で保有してきたITCの29.02%の株式のうち、少なくとも一部を売却する計画。昔から持っていたのですね。逆にいうと虎の子を売り出したというネガティブな考えにも。

ITC自体はPER26.18倍、PBR 7.77倍と割高。
https://finance.yahoo.com/quote/ITC.NS/key-statistics

BTIが安い理由はなんなのよ

BTIは配当利回りが9.5%程度まで売り込まれておりナンボなんでも安いよねと言うことでその理由を調べてみました。

金利の影響

BTIはかなり財務レバレッジを使っているので、金利の影響は大きく受ける。
9200億円配当(2022年)を支払っている。

この配当を賄えるだけのキャッシュフローを生めるかどうかが減配のない配当の試金石である。

当然、歴史的にも稀に見る急な金利上昇の影響を受けて利払いが増えている。

半期で金利支払いが803M → 1.42Bの増加が続くと仮定すると2022から2023で年間2200億円(GBP/JPY 188 円で計算)の金利支払いが増えるはず。この支出キャッシュフローがどれほど配当支払いに影響してくるか次第。これが一番大きな問題だと思う。

2022年は3090億円の金利支払いをしているのが2023年は5200億円になるイメージ。
英国政策金利 2021年末に0.1%だったものが2023年10月に5.25%まで上がっている。

30-JUN-2021 31-DEC-2021 30-JUN-2022 31-DEC-2022 30-JUN-2023
Interest Expense 746M 845M 803M 1.42B
Interest Expense Growth - -0.13% 13.27% -4.97% 77.09%
Gross Interest Expense 747M 746M 845M 803M 1.42B

 

2023年業績と展望:

    • EPS(1株あたり利益)はガイダンス通りを期待。
    • VuseとVeloを含む新カテゴリーの売上とボリュームで目立った成長。
    • 新カテゴリーが2023年内に損益分岐点に達する予想。
    • AME(アフリカ、中東、東欧)とAPMEA(アジア太平洋、中東、アフリカ)地域での強い成長が戦略の成功を示す。
    • 米国のマクロ経済的圧力が燃えるタバコ製品のパフォーマンスに影響。
    • 売上成長率の予測を3-5%のガイダンスの下限に修正。要するに3%成長
    • 2035年までに非燃焼製品からの収益を50%にする目標設定。
    • 2024年の投資計画は長期的な持続可能な成長に注力。
    • 米国での燃えるタバコブランド関連(レイノルズ)の約250億ポンドの非現金調整費用予想。
    • 2024年以降、米国のマクロ経済的圧力と投資により、低い売上と利益の成長を予想。
    • 2026年までに売上3-5%、利益の中単位成長が期待される。
      • 成長はすると経営層は見ている。急ブレーキの可能性は低い
    • 株主への強いキャッシュリターンと配当の継続計画。

新カテゴリーでの成長と利益性向上

      • Vuseは主要市場で36.8%の価値シェア、米国では46.0%に増加。
      • AMEとAPMEA地域でVuse Goの強い収益成長、59市場で利用可能。
      • Veloは強いボリューム主導の収益成長、主要市場で8.5%のボリュームシェア。
      • gloは日本とイタリアでの競争激化の影響を受ける。

veo™(非タバコ製品)のヨーロッパ市場での好調な初期結果。

燃えるタバコ製品での安定した価値成長

  • 米国ではマクロ経済的圧力と違法モダン使い捨て製品が業界に影響。
  • AMEとAPMEA地域では燃えるタバコビジネスが引き続き好調。

財務柔軟性の向上:

  • 2023年にはほぼ100%の営業キャッシュフロー転換を達成予定。
  • レバレッジ範囲の中央で進展中、達成後の株主への余剰キャッシュ還元を検討。

「Operating cash flow conversion close to 100%」とは、企業が純利益に近い額を現金として確保していることを意味し、これは非常に効率的なキャッシュフローの管理を示しています。つまり、ほとんどの利益が現金として企業に留まり、再投資、債務返済、配当支払い、またはその他の財務活動に利用できることを意味します。これは企業の財務健全性の強い指標と見なされます。
戦略的取り組み:

    • 運用上の優先事項を絞り込み、大きなプロジェクトに焦点。
    • 協調的で包括的な企業文化を推進。
    • 戦略的方向性の精緻化、長期的な利益と価値創出

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