最初にまとめ
分子量100000(100kDa)のタンパク質の場合、
1 mg/ml は
詳しく解説していくよ。
1 mg/mlのタンパク質のモル濃度換算
分子量10000(10kDa, 10000Da)のタンパク質溶液が1 mg/mlという濃度である。
これは何μM? ⇨ 100μM
分子量100000(100kDa, 100000Da)のタンパク質溶液が1 mg/mlという濃度である。
これは何μM? ⇨ 10μM
逆に分子量100kのタンパク質複合体が50μMといえば5mg/mlに相当するわけである。
↓1 mg/mlのタンパク質溶液は分子量によってモル濃度は以下の表のように変遷する。
分子量 | μM |
10000 | 100.0 |
20000 | 50.0 |
30000 | 33.3 |
40000 | 25.0 |
50000 | 20.0 |
60000 | 16.7 |
70000 | 14.3 |
80000 | 12.5 |
90000 | 11.1 |
100000 | 10.0 |
200000 | 5.0 |
300000 | 3.3 |
400000 | 2.5 |
500000 | 2.0 |
600000 | 1.7 |
700000 | 1.4 |
800000 | 1.3 |
900000 | 1.1 |
1000000 | 1.0 |
次にこれはどのように計算しているのか具体的にみていく。
具体例で見ていくタンパク質のモル濃度計算
actinというタンパク質 の分子量は約42000である。ここでは簡単のために42000 Daとする。
例えば、1 mg/ml の濃度でactin溶液があるとして、この溶液のモル濃度を計算する。
actin が1 mol あると42000 g になる。これは定義だ。分子量42000の分子が1 mol(約6.02 x 1023個, アボガドロ数)あると42000 g になる。
小さいタンパク質でも6.02 x 1023 個も集めればどっさり42000gになるわけだ。
42000 g を1Lに溶かすと1 モル濃度(mol/L。1 M と書くよね)になる。
actinの場合
42000 g / L = 1 M
g/L の単位を mg/mLに変えても同じことだ。gを1000分の1して、mg。Lを1000分の1してmL。
42000 mg/mL = 1 M
だ。
ということは、1 mg/mL のactin溶液のモル濃度はいくらか?
両辺を42000で割れば良いことになる。
1/42000 M = 0.00002381 M = 0.02381 mM = 23.81 μM
となる。
つまり、1 mg/mlをサクッと求めるためには1/[分子量] Mを計算すれば良いということを覚えておいても良いかも。
モル濃度と%(パーセント, w/vol)の換算方法
分子量688.4の界面活性剤があるとする。
これの100μMは何%(w/vol)なんだろうか?
wはweight で、
vol はvolume だ。
1M 溶液を作るには?
688.4gを水に溶かして1L作成すれば良い。
パーセンテージにすると、68.84%(w/vol)だ。
では、100μMは68.84÷1000÷10で計算できるね。
0.006884%になる。
percentage | mM |
1%(w/vol) | 14.52643812 |
0.1%(w/vol) | 1.452643812 |
0.01%(w/vol) | 0.1452643812 |
0.001%(w/vol) | 0.01452643812 |
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