楽天VTIにまつわる誤解
楽天・全米株式インデックス・ファンドはバンガード・トータル・ストック・マーケットETF(VTI)に投資しています。
簡単にいうと、投資家の代わりに楽天投資顧問がドルを購入して、アメリカの株式市場でVTI ETFを買ってくれてるだけです。
楽天・全米株式インデックス・ファンドは
米国株式市場の動きをとらえることを目指して、CRSP USトータル・マーケット・インデックス(円換算ベース)に連動する投資成果を目標として運用を行います。
となっているんですが、ここがわかりにくいところになっています。
そもそもVTIとは何か?
VTIはCRSP USトータル・マーケット・インデックスに連動するように設計されたETFで、ほとんど乖離なく連動しています。
VTIの直近8月30日終わり値が149.04ドルで、それに対してNAV(Net Asset Value) も149.04ドルです。VTIは乖離についてあれこれ心配する必要のないかなり優等生のETFと言えます。
またVTIがベンチマークとしていうrCRSP USトータル・マーケット・インデックスは配当無しの指数です。VTIは一年に4回、配当金分を投資家に分配金として支払っているので当然といえば当然です。
楽天・全米株式インデックスはVTI ETFを日本の投資家の代わりに買っているだけなのでVTI ETFのパフォーマンスとできる限り一致することが期待されます。
為替手数料や入金・解約に伴う売買手数料・分配金にかかる米国での税金で完全にパフォーマンスが一致することはありません。
もちろん個人投資家が海外株・ETFを買うときにも手数料は結構かかりますので、むしろ楽天投資顧問に任せた方が有利という考え方もあります(一般的に小規模取引の方が手数料はかさみがち)。
その結果、楽天・全米株式インデックスとVTI ETFとの間にパフォーマンスに違いが生まれます。
一部のネット上で生まれている誤解は、
米国株式市場の動きをとらえることを目指して、CRSP USトータル・マーケット・インデックス(円換算ベース)に連動する投資成果を目標として運用を行います。
という説明文から、楽天・全米株式インデックス・ファンドは配当無しのCRSP USトータル・マーケット・インデックス(円換算ベース)との連動を目指していると誤解できます。
このため、手数料・税金・売買タイミングなどによる劣後だけでなく、配当分2%ぐらいの隠れた劣後があるのではないかという誤解です。
これは誤解です。
実際には、楽天・全米株式インデックスはCRSP USトータル・マーケット・インデックス + 分配金をベンチマークとしています。
念のため検証
2018年8月29日〜2019年8月28日までのパフォーマンスを検証
ドル円 は 111.71 円/ドル → 106.08 円/ドル
CRSP USトータル・マーケット・インデックス
2174.28 → 2125.6
円換算すると -7.16%
VTI
150.63 → 147.14
円換算すると -7.24%
楽天・全米株式インデックス・ファンド
11446 → 10779
もともと円建てなので、 -5.83%
楽天・全米株式インデックス・ファンドが一番パフォーマンスが良いですね。
楽天・全米株式インデックス・ファンドだけが配当ありの値なのでそうなりますね。
まとめ
- VTI ETFは配当分を分配金として投資家に分配している
- CRSP USトータル・マーケット・インデックスはそもそも、配当無しインデックス
- ただし、楽天・全米株式インデックスはCRSP USトータル・マーケット・インデックス + 分配金をベンチマークとしている
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